泡沫アフィブログby牛乳うまい

アフィで億万長者になりたい牛乳好きが牛乳とは全く関係のない記事をアップし続けるブログ

【映画レビュー】ダークウォーターと仄暗い水の底からについての一考【レンタル3】

 ダークタワーを探していたら見つけたダークウォーター。仄暗い水の底からアメリカリメイク版です。ほの水にあったじっとりじわじわくる怖さとか不気味な感じはあんまりなくて、なんかお母さんがひたすら情緒不安定だった。仄暗い水の底からをさっぱり理解できなかったら、ダークウォーターをみればなにもかも説明してくれる感じで、最後は多少すっきりです。

 大体の設定は同じです。主人公は夫と離婚調停で娘の親権を争っている。その間に、古びた団地に引越してくる。なんか不気味だし、寝室の天井から水漏れしてるし、赤いバッグは落ちてて、捨てても捨てても戻ってくるし、娘はイマジナリーフレンドと話したりするし、そんで、最終的に母親が団地に住む幽霊に取り込まれて、娘が脱出する。

 アメリカ版と日本版の大きな違いは、登場人物が大体の心情や要求を言葉で具体的に話してくれることです。日本版は、直接的に表現するのではなく言葉の端々や態度で表わす。アメリカ版は具体的に言う。その特徴の差は幽霊に最も現れていると思う。

 日本版ではチラっとでてきたり、そっと手を握ったり、首をしめたり、じーっと睨んできたりするだけで、特に語ることはなかったし顔もみえなかった幽霊少女。しかし、アメリカナイゼーションされたら積極的。「ママになって」「ずっと一緒にいたい」「一緒に寝たい」などなど、ちゃんと要求をしてくれるので、主人公にも視聴者にもやさしい。顔も普通の女の子で、外人少女を見慣れていない私には、主人公の子どもと幽霊子どもの顔の違いがよくわからなかった。もろもろの自己主張の強さと顔が見えているという点から、多少の愛嬌を幽霊に感じる。あと、些細な違いではあるが、日本版は死んでから数年たっているが、アメリカ版では死にたてほやほや。

 同じように、主人公はやたらと娘に「愛してる」「命より大切にしている」と何度も何度も言う。夫も同じ。弁護士もよくしゃべる。あと、なぜか弁護士が、有能なわりに意味のわからん嘘をつく。事務所が改装中だから車の中で面談(おそらく事務所なんて持ってない)。家族と映画を見ている最中なので相談はまたあとで(映画館で一人で映画鑑賞)。

 それから、主人公と夫が最後のほうで和解するのも違う。日本版は最初から最後まで争いっぱなし。アメリカ版では娘の精神状態を案じた主人公は夫に私が夫の近くに引越して二人で共同で娘を育てようと提案し、夫の態度も軟化。

 あと、割と主人公の行方もラストもはっきりしている。

主人公

日本版→エレベーターから出てきた濁流にのみ込まれて、その後どうなったかは具体的には語られない。

アメリカ版→浴槽で死亡。しっかり警察が到着して「死因が不明である」という無線が流れる。ちゃんと世間的に死亡が確認されていることがわかる。

ラスト

日本版→高校生になった娘がふと思い出して団地を訪れると、昔と同じ部屋に全く変わらない部屋に母親がいる。一緒に住もうと言うが、ここを離れられない、という。背景に睨む少女。主人公は後ろ髪をひかれながら団地を後にする。主人公の心情がイマイチ語られない。

アメリカ版→団地を出る日に、エレベーターで最後のひと時。ちゃんと「いつも見守っている」「私の可愛い娘」などとメッセージをしっかり伝えることで、娘は母の愛を確信して晴れやかな気持で団地を出る。めっちゃ微笑みながら出る。このシーンはなかなか好き。

 ところで、主人公の夫が主人公を陥れようとして、団地に住む不良にお金を払って主人公の身のまわりに不穏な事件を起こしている、と主人公が主張していましたが(実際に、不良と夫が会話している場面がある)、これは真実だったのでしょうか。それとも主人公の妄想?

 とりあえず、情緒不安定ながら娘を一生懸命愛して守ろうとしている母親の人生をかけた奮闘が良い映画でした。

 オススメ度☆☆☆☆★★★★★