旅日記〜イタリア旅行編〜⑦飛行機
さて、初めての海外旅行での飛行機。
客室乗務員に迎えられて入ってみると、まずは見せつけられるように広めの席をとるビジネスクラスの人々の横を通過させられた。
その後、数多あるエコノミークラスに通されてチケットを見せると席を案内された。
狭い狭いと言われていたが、高速バスの席よりは快適そうだった。
奥には他人のお姉さんが座っており、自分の席にはいろいろなアメニティが詰められた袋が置いてあった。
前の席のネットのところには機内食のメニューが書かれた紙があったが、日本語対応はしていなかった。
席に着いたら早速巣篭もりセットを展開した。
腰枕を設置して首枕を巻き、頭にアイマスクを引っ掛ける。
化粧水を顔に吹いて馴染ませた後、馬油で閉じ込める。それから濡れマスクをして静かにした。
とりあえず、現地時間に合わせて寝ようと思ったので、隣で配偶者がすやすやと眠っていたが私は現地時間の夜まで待って眠った。
ときどき機内食とおやつやコーヒー水が運ばれてきた。
機内食は3種類から選べたが、選択を誤ると炭水化物のメインに炭水化物のサラダ、炭水化物であるパン、炭水化物であるデザートになってしまうから、よく考えて選ばなければならない。
例:ポテトグラタン、クロワッサン、マカロニサラダ、ゼリーなど。
どうか頼む。食器を金属にしてくれたのは嬉しいが、栄養をとらせてください。
映画を観ようと思って持参したイヤホンを挿すところを探すが暗いし見つからない。
仕方なくアメニティのヘッドホンを使用した。意外と調整次第で頭と耳にはフィットするが、耳に密着しておらず遮音性がない。
機内にはエンジンの轟音が絶えず響いている。密閉していないヘッドホンではそこそこ音量を上げなければ聴こえない。
字幕があるから聴き取れなくても内容はわかるが、やはりちゃんと楽しみたい。
次に乗るときには絶対差し込み口をみつけてやる。
映画は割と良いところを押さえていると思った。サマーウォーズがあったのが印象的だったが、とりあえず行き帰りで「アリー スター誕生」「アラジン2019」「グレートギャッツビー」の3タイトルを観た。
あとはフライトマップを眺めて今いる場所を確認したり、意外とゲームも充実していて面白かったのでそれをプレイしたりしていた。
次に飛行機に乗るときにはフットマンを用意したいと思う。
ドーハでの乗り換え時間は約2時間。
これは飛行機が遅れたら若干アウトな感じの時間だが、今回は幸運にも遅れずに到着してスムーズに乗り換えができた。
空港内は電車で移動する。かなり大きな空港だった。
飛行機の向こうに見えた砂漠が印象的。
電光掲示板には行き先と航空機の番号、ヴェネツィア行きの案内が出てくるのだが、一定間隔で着いたり消えたりするため、じーっと見守っていないと確認できない。
同じツアーで申し込んだと思しき日本人客と、お互いに指を指して確認しあい、なんとか搭乗口にたどり着いた。
ドーハからヴェネツィアに行く飛行機はグッと小さくなって、2列、3列、2列の小型だった。
乗っている時間は羽田⇄ドーハほど長くはないが5時間ある。
ここでは予め既刊全巻を購入しておいた漫画「チェーザレ」を読破することにした。
「チェーザレ」はルネサンス期のイタリア、特にピサを中心とした歴史漫画で、フィレンツェが出てくるので必須と思ったのだ。
10年以上前、高校生のころからの愛読書であるがそのすべては実家に置いてあるので読むのは久しぶりだった。
それを読んでピサに思いを馳せつつ作中に出てきた地図とるるぶの地図を重ね合わせたりしながら5時間を過ごした。
あっという間に過ぎてギリギリで読み終えることができた。
この時にはフィレンツェ入り1日目にピサに行くことを考えていた。
Google マップで調べてみると、早ければ1時間弱で着くようだし、往復2時間、12時30分にフィレンツェを出たとしてもツアー待ち合わせ時間の18時50分までの間に4時間強はピサ観光の時間が取れるはずだ!
それはさておき、まずはヴェネツィア。
そわそわしながら時を過ごした。